山吹と四天のカラー認識について

先日参加させていただいた第2回テニスの王子様研究発表会にて興味深いお話を耳にしました。山吹と四天のチームカラー認識についてのお話だったのですが、どちらも黄系統と緑系統で構成されています。

私自身は漠然と立海に黄色のイメージ、山吹に緑のイメージ、四天はその中間程度のイメージを抱いていたのですが、そういえば改めて理由を考えたことがなかったなと思い当たり。(そもそも山吹って普通なら黄色を連想させるワードではある)そのお話をきっかけに山吹と四天を各メディアから比較していきたいと考えました。

 

まずは原作のカラーページから色を抽出したカラーパレットです。(といっても四天に関してはグラデーションがかかっているので緑部分に関しては中間の色合いを抽出したものになります)

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研究発表会の打ち上げの際に少しお話したのですが、ドリームライブにおいては各校何色のペンライトを使用するかという流れになり、「山吹は緑とオレンジ」「四天は緑と黄色」という意見がいくつかありました。

オレンジ…?と思ったのですが原作のカラーリングは確かに肩のラインが思ったより赤みがかっていました。

 

次にアニメのカラーパレットです。

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原作よりも全体的に黄みが強くなり、彩度が上がったように感じられます。どちらの学校も黄系統の色合いに大きな差が出ました。

 

ではテニミュのカラーパレットです。

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こうして3つを比較してみると、山吹、四天どちらにしても同じ学校とは思えない程に色味が違うことがわかります。

しかし先行研究をしていらした方のお言葉で私が最も気になったのは「自分が想定していた色味と反応が違った」というものでした。

その方はそれぞれ2つの学校のイメージカラーで着色した同じ構図のイラストを用意し、アンケートでそれぞれどちらの学校をイメージした色合いなのか、と問いかけてそのデータを集められたそうなのですが、そのときのポイントとして四天よりも山吹の彩度を高めに設定したとのこと。(間違っていたら申し訳ない)

画像を見る限りでは「彩度が高めで黄色中心の山吹イラスト」「彩度低めで緑中心の四天イラスト」の比較でした。(本当に間違っていたら申し訳ない)

 

たしかに比較してみるとよくわかるのですが、実は山吹カラーの方がどのメディアにおいても圧倒的に彩度が高いのです。ではなぜアンケートの結果が想定したものと違ったのか。私も色々と考えを巡らせていたのですが、面積効果が関係しているのではないかと思いました。

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①と②、どちらが山吹でどちらが四天の色でしょうか。

答えとしてはどちらも山吹の色なのですが、面積差によって大きく色の印象が異なる現象を面積効果といいます。明度の高い色の面積が増えるとより明度と彩度が高まったように錯覚し、逆に明度の低い色の面積が減るとより明度と彩度が低くなったように見えるのです。

つまり端的に言うと、山吹の色合いの彩度の方が高い反面、面積差によって実際の色味よりもくすんで印象づいている可能性があります。逆に四天も面積差によって実際の色味より鮮やかに映るのかもしれません。

結果彩度差による認識がされにくく、単純な色面積の印象によってイメージカラーが決定されているのではないかな、と思いました。

 

 

面積効果云々についてはこちらのサイト様がわかりやすくまとめてくださっているのでご参考までに。

色の見え方の効果/面積効果