プリリズ感想とか諸々

流行りにのって地球の色を確かめに行ったついでに、少し気になっていたプリティーリズム・レインボーライブに手を出しました。

私が最初にキンプリに触れたのは、月1の楽しみの映画鑑賞のタイミングで、たまたま他に見る映画がなかったからでした。Twitterでフォロワーが続々とわけのわからない言葉を喋り始め、興味を惹かれていたこともあります。

突発的に行ったものですから通常上映ではなく応援上映に行ってしまい、予告から始まる謎の声援にビクビクしつつも胸を高鳴らせていたことを覚えています。隣の親切なお姉さんがサイリウムをくれました。誰に何色を振ればいいのか何を叫べばいいのかもわからず(というかそもそも話が意味不明すぎて)ただただ拍手しながら笑うしかありませんでした。試みとしては面白いと感じる応援上映でしたが、ストーリーを理解していない状態で見るものじゃないな、とも個人的には少し思ったり…(都心の映画館じゃなかったせいもあり客がある程度固定されていました。そのため応援も一定の内輪ウケのような空気が流れていて初見には少し辛かったということもあります。)

とにかく、キンプリ自体は面白かったとはいえ、2回目を観に行くこともなくそのまま上映期間は終わってしまったのですが、今回のキンプラにてシンルヰが性癖にぐっさり刺さってしまい、もっと見たい!知りたい!どういうこと!?とプリリズRLを見始めました。

 

話は少し変わりますが、私はアイカツ!が好きです。熱くて、それでいて現実の厳しさにすごく忠実で、まっすぐで、キャラクター一人一人を見ていると励まされて元気が出ます。辛いときはテニプリアイカツの曲を聞きます。キャラデザも衣装も歌もすごく可愛くて、それなのにストーリーがハチャメチャにぶっ飛んでて面白い…アーケードではマイキャラシステムもあり、オリジナルコーデを考えて遊ぶこともできます。

アイカツイズゴッド、圧倒的に最高超えてる…

ということもあり、女児向けコンテンツを考えるときアイカツと比較して考えてしまう癖があります。当然、プリリズもそうでした。そもそも私はプリパラを通っていないので、プリリズとプリパラの違いすらわかっていなかったし、スケートをするアイドルの話?くらいにしか思っていませんでした。

 

結論を言うと、プリリズは全くアイカツとは違うものでした。いやそもそもプリリズの方が先だしそらそうだ…。そもそもアイドルものじゃない…。アイドル要素がないとは言わないけど、どっちかといえばアスリートに近い印象を受けました。誰もが持っているプリズムの煌めきをより強く輝かせた女の子たちに焦点を当てた話、というか、選ばれし者ではなく先駆けた者を捉えたような…プリズムの可能性は無限大にあって、それは誰しもが成長次第で輝かせることができる。ただ、主人公のなるを含めた仲間達は、奇跡的なタイミング、常人には図りしれない努力、複雑な人間関係など、様々な要因によって周りより早くその可能性に気付くことができた。そんな印象です。

だから皆それぞれ普通の女の子で、嫉妬もするし、努力しても報われないことだってあるし、過去や親に囚われて本来の自分が出せなかったりするし、意地悪なことだってしてしまう。人間なので…。等身大の女の子が様々な要因に振り回されながらも一歩一歩着実に成長して行く姿に共感できる。年上の男の子だってどいつもこいつも頼りなくて憧れるだけじゃやってられない、夢みがちじゃいさせてくれないんですよね。

コンテンツの原理としては昔流行ったラブandベリーに要素を加えた感じ?なんでしょうか。ラブベリに当時ガッツリハマっていたわけじゃないので確証はない…。ただなんとなく、「散らかっているな」という印象も受けました。

ショップ経営、プリズムショー(歌+ダンス+スケート)、恋愛と友情と親からの自立、世界の根底に関わるファンタジー要素…難しいし多いしどんなアニメ?と聞かれたときに一言でまとめにくい…こんなに面白いのに…

 

調べてみるに、ここに登場したのがアイカツ!だそうで、確かにプリリズの要素に近いものが沢山アイカツには出てきます。プリリズの〜回転ジャンプとか、アイカツスペシャルアピールとか「モロ」ですよね…笑。デリケートな話題なのであんまり触れませんが、似たような対抗馬として出てきたアイカツが一大人気を誇ったのは、圧倒的な「わかりやすさ」ではないかと感じます。

主人公やライバルは「アイドル」を目指す。テーマは友情中心。男はほぼ出てこないから恋愛沙汰にもなりにくいし、強い者が勝つ。シンプル。ライバルを倒して友達になれば、もっと強いライバルが現れるこの方式は女児界のドラゴンボール。やっかみや嫌がらせ、プライドによる屈折した足の引っ張り合いもない。スッキリするんです。穢れがなくて。でも現実味はない。なぜなら彼女達はアイドルだから。等身大の女の子である限り高みに上ることはできない。彼女たちの目指す「アイドル」は、圧倒的な高さから有象無象を魅力的な世界に誘うことが出来る人間のことを言うのです。どれだけ憧れても重ね合わせることはできない。凡人たちが追いついた頃には、彼女たちはもう次のステージを見つめている…

バンナムアイドルマスターで培ってきたものを女児向けに路線変更しただけで、本質は変わらないってことなんでしょうか。視聴者はあくまでファンという位置付けに収まるような構成になっている気がする…。これはアイカツ!のシステムを受け継いだ2.5次元プロジェクト「ドリフェス!」からもうかがえるような…知らんけど…

 

この後更なる対抗馬のプリパラが出てきたり、アイカツが段々とプリリズ(世代がうつったアイカツ!でのあかりちゃんは、いちごちゃんと違って等身大の女の子として描かれているような気がする…)やプリパラ(アイカツスターズなんて最早アイカツの姿をしたプリパラと言わんばかり…)に寄ってきたり…

プリパラはこれ、プリリズでの「共感性」に加えてアイカツ!のシンプルでキャッチーなテーマ性をならって要素を整理したうえに「プリチケをパキる」などの「共有性」までブチこんでてほんとにすごい…。流行りに敏感な女子社会じゃ一層効果あるだろうな。一気にレイトマジョリティ層まで抱え込んで展開できるうえにオリジナルコーデの文化で競い合わせてオピニオンリーダー欲求まで叶えちゃう…しゅごい…。

一歩引いた場所にいるファンたちに圧倒的な夢を与えてくれるコンテンツと、観客を巻き込んで物語に引き込むコンテンツにざっくり別れるんでしょうか。キンプリは後者を貫いてきたタカラトミーから産まれるべくして産まれたコンテンツなのかもしれません。女児向けコンテンツに限らず、現状の男性アイドル戦国時代にも当てはまる気がする…

 

色々つらつら書きましたがキンプリは恐らくどう考えても観客巻き込みコンテンツだし(とはいえキンプリだけを見る分にはキャラクターの背景が分かり辛いから私たちはファンの立場に固定されるしかないしヒロは仕事への意識やキンプラでの活躍っぷりがアイカツの雰囲気に近い気もするので一概には言えない…)、ぶっ飛んだストーリーに見えて共感性の高い作りになってるし(これはキンプリ単体というよりはプリリズシリーズが)、プリリズRLを見てからだとキンプリから得られる情報量が倍以上に増えたしこのシリーズめちゃくちゃおもしれ〜〜!ドにわかが何を言ってるんだって感じだけど折角キンプリ見るならプリリズRL見た方がいいって個人的に痛感した話でした。おしまい。